奨学金の借金返済ができなくて滞納してしまい経済的に追い詰められてしまっている若者は少なくないです。
その背景には学費が高くなってきているということがあります。近年は少子高齢化なので学費はむしろ安くなるのではないかと思う方は多いですが、実際には逆で学費はどんどん高くなっています。
その理由は生徒確保のために他の学校よりも設備を充実するためにお金をかけているということが背景にあります。
実際に私の家の近くにある大学も校内に新しい施設を建てたりしていて昔とは外見が違ってきています。
さらに終身雇用が崩壊して就職しても長く働くことができないということも奨学金返済が厳しくなる要因になっています。
奨学金は学校や学部によって金額は異なってきますが、人によっては完済できるまでに就職してから10年以上必要というケースも珍しくなく、10年間ずっと働き続けられるという保証もないため、ちょっとしたことで返済計画が狂ってしまい、返済に行き詰まることがあります。
そこで奨学金の借金返済で行き詰ってしまった場合の返済方法についてわかりやすく解説しようと思います。
奨学金の返済を滞納するとどうなる?
奨学金は返済額が大きくなるので、返済している中で転職や不景気で給料が下がったり、事情があって会社を退職することになったりなど、経済状況が変化したことによって返済できなくなり、奨学金の返済滞納するケースも少なくないです。
奨学金は日本学生支援機構という独立行政法人がやっているサービスなので、滞納したとしても他の消費者金融などよりは取り立てが厳しくないと思っている方もいますが実際にはそうでもないです。
奨学金を滞納すると下記のようなことが発生する可能性があります。
強制執行による差し押さえ
奨学金を滞納すると強制執行によって資産や給料が差し押さえられる可能性があります。
ただ滞納してすぐに差し押さえられるというわけではなく、自宅に督促の電話が来て、自宅に督促状が届きます。この時点で返済していればいいですが、9カ月以上滞納すると裁判所へ支払督促申立が行われて、全ての借金を一括返済するように求められます。
しかし一括返済を求められても返済するのは難しいと思います。そして最終的には資産や給料が差し押さえらえれる強制執行が行われてしまうことになります。
奨学金は民間の金融業者ではないので、取立てはもっと緩いのではないかと思う方もいますが、滞納すれば普通に強制執行に差し押さえがあるので注意が必要です。
連帯保証人や保証人に請求が行く
奨学金には申し込む際に連帯保証人や保証人の提示を求められたと思いますが、滞納を続けると連帯保証人や保証人に請求が行くことになるので注意が必要です。
奨学金の連帯保証人や保証人は親や親戚などがなるケースが多いので、奨学金を滞納するとこういった親類に迷惑をかけることになります。
また滞納して親や親類に返済請求が行くと、自分がお金がなくて生活に困っているということを親や親類に知られることにもなります。
金銭問題で親類に迷惑をかけると、後々まで引きずる可能性があるので注意が必要だと思います。
奨学金の返済がきついなら債務整理を検討しよう!
奨学金の返済を滞納していて完済できる見込みが薄いという場合には、早めに債務整理手続きを検討したほうがいいと思います。
返済できる可能性があるなら多少生活を切り詰めてでも返済したほうがいいですが、それでも返済が難しくて滞納してしまっている場合には、最終的に給料や資産が差し押さえられるので、そういったことを避けるためにも早めに債務整理は検討したほうがいいです。
ただ債務整理と言っても、任意整理、個人再生、自己破産という複数の債務整理方法があるので、奨学金を債務整理する場合にどの手続き方法が良いのかそれぞれ解説しようと思います。
任意整理での借金返済
任意整理は弁護士や司法書士に依頼して奨学金を運営している日本学生支援機構と交渉して奨学金の利息を免除してもらったりして返済負担を軽くするという債務整理方法です。
ただ結論を言ってしまうと奨学金返済には任意整理は向いてないと思います。
その理由は奨学金の金利が低いからです。任意整理は借金の利息などを免除してもらうという特徴がありますが、そもそも奨学金は消費者金融などと比べて金利が格段に安いので、任意整理したとしても免除される金利が小さいため効果が薄いです。
また日本学生支援機構は滞納してきた借金の延滞利息の免除交渉にも応じてくれないため、任意整理を利用しても完済の見込みが立たない方も多いのではないかと思います。
任意整理をによる借金返済について初心者でもわかりやすく説明しています。任意整理を初めて利用して債務整理する場合の手続きの流れ利用条件などを解説しています。任意整理におすすめな弁護士や司法書士をまとめているので参考にしてください。
個人再生での借金返済
個人再生は裁判所で手続する債務整理方法で手続きが複雑で手間がかかるというデメリットはありますが、借金の減額幅は大きく、奨学金も利息を含めて元本からしっかりと減額することができます。
また個人再生は自己破産と違って自動車や持ち家を残せるというメリットもあり、現在仕事がある場合には利用しやすい債務整理方法なのではないかと思います。
ただ個人再生は任意整理のように債務整理対象を選ぶことはできないので、奨学金を含めて全ての借金が債務整理対象になります。
そのため現在ローンを払っている物があった場合には、そのローンも減額対象になってしまい、没収されてしまう可能性があります。
しかし個人再生を利用すれば借金をかなり減らせるので、利用候補として考えてみる価値はあると思います。
個人再生とはどのような債務整理方法なのか初心者にもわかりやすいように説明しています。個人再生の手続きの流れや利用条件を解説しているのでご覧ください。また個人再生の無料相談におすすめな弁護士・司法書士をまとめているので参考にしてください。
自己破産での借金返済
自己破産は債務整理手続きの中でも一番有名な債務整理方法で、何となく自己破産すれば借金の支払いが免除されると理解している方は多いのではないでしょうか。
自己破産すれば奨学金の支払い義務もなくなるので、奨学金の返済問題が一気に解決することになります。
ただ自己破産すると持ち家や自動車などの高額資産を没収されてしまうというデメリットもあり、ある程度資産がある方は利用しにくいと思います。
まあ、資産があれば奨学金の返済充てられると思うので、資産がある方が自己破産するケースはそこまで多くないですけどね。
無職で仕事がないという場合は自己破産が一番の利用候補になると思います。
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奨学金を債務整理する場合の注意点
奨学金は上記のように債務整理手続きによって返済負担を軽くすることができますが、奨学金には連帯保証人や保証人が設定されていると思うので、債務整理で奨学金を減額するとその分だけ連帯保証人や保証人に請求が行くことになります。
ニュースでの奨学金を返済できないということが問題になっていますが、簡単に自己破産して借金問題を解決できない背景には連帯保証人や保証人が設定されているという背景があります。
しかしそれでも自己破産して奨学金を整理している方がいますが、おそらく連帯保証人が親御さんのケースで、親御さんと本人が一緒に自己破産して奨学金を整理しているのではないかと思います。
連帯保証人も一緒に自己破産すれば奨学金問題は一気に解決することになります。
あるいは機関保証を利用していて、自己破産しても知り合いに迷惑をかける心配がないので自己破産しているというケースもあります。
奨学金は債務整理で減額することができますが、その場合には連帯保証人や保証人に迷惑をかけるので、連帯保証人や保証人が親御さんや親戚などの場合には事前に奨学金を返済できないことを相談しておいた方がいいです。
債務整理に頼らず奨学金の負担を軽くする方法
債務整理を利用すれば奨学金での借金返済の負担を軽くすることができますが、その代わりに連帯保証人や保証人に迷惑がかかることになるので利用したくないという方もいると思います。
その場合には下記のような方法を検討するといいと思います。
返還期限猶予申請
奨学金には返還期限猶予申請が可能でこの制度は日本学生支援機構に申し込むことによって奨学金の返還を一時的に猶予してもらうことができるという制度になります。
この制度を利用して奨学金の返済を猶予してもらった期間は借金返済の必要がないだけでなく、利息も発生しないというメリットがあります。
適用期間は通算10年が限度になっていますが、失業などで一時的に働けない場合に申し込んで新しい仕事が決まったら返済していくなどの利用法が考えられます。
一時的に返済が難しくなり滞納しそうになっている場合には十分に利用価値がある債務整理方法だと思います。
減額返還制度
減額返還制度は毎月の返済負担を減額してその分だけ返済期間が延びるという手続き方法です。
毎月の返済額が軽くなる分だけ返済期間が延びるので借金負担の合計は変わらないですが、利息が増えることもないです。
そのため少しでも借金返済の負担が少なくなれば返済を続けられるという場合に利用したい制度です。最大で合計15年まで延長することが可能なのでかなり返済負担を軽くできると思います。
経済状況によってどちらの方法がいいか検討してみるといいと思います。
奨学金以外の借金に任意整理して制度を利用
奨学金を債務整理すると連帯保証人や保証人に迷惑がかかりますが、他に保証人などが設定されてない借金がある場合には、それらの借金を任意整理で減額して、余裕ができた分を奨学金返済に充てるという方法も考えられます。
任意整理は個人再生や自己破産とは違って債務整理する対象を選ぶことができるので、あえて連帯保証人が設定されている奨学金を除外して任意整理でそれ以外の借金を整理します。
そして奨学金自体は上記の「返還期限猶予申請」や「減額返還制度」という制度を利用して負担を軽減していきます。
ただ奨学金以外の借金を任意整理することで、これらの制度の利用審査にどう影響するかわからないという問題もあります。
もし利用する場合には事前に任意整理を依頼する弁護士や司法書士に相談するといいと思います。
まとめ
奨学金で借金返済に苦労している方は多く、ダブルワークなどで無理して返済してる方もいますが、中にはそういった返済方法を続けていたために体を壊してしまい逆に働けなくなってしまい返済に行き詰るということもあります。
そのため返済が厳しいと思ったら日本学生支援機構が行っている奨学金返済の救済措置の利用を検討したり、どうしても返済できない場合には債務整理を利用するなど逃げ道を確保しておくことも大事です。
奨学金による借金返済では日本学生支援機構の救済措置を利用する方法や債務整理方法、あるいはそれらを組み合わせる方法などいくつも返済負担を軽くできる方法があります。
ただ人によっては利用条件が満たせなかったり、経済的に利用しても効果があまり期待できないという方法もあったりします。
まずは日本学生支援機構の救済措置の利用を検討して、それでも返済が難しいと感じたら債務整理を検討するといいのでないかと思います。
当サイトでは奨学金による借金返済を含めた借金問題について無料相談を受け付けている弁護士や司法書士をまとめています。
メールや電話で気軽に無料相談できる事務所を載せているのでよかったら参考にしてください。
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